箔押しの不具合とは? & 不具合を起こさないために

箔押しは通常の印刷と比べて、不具合が発生しやすい印刷方法です。
綺麗に仕上げるためには、綺麗に箔押しするためのデザインデータ作りが大切。
職人も日々腕を磨いていますが、データによって、どうしても綺麗に加工できないことがございます。

こちらの記事では、
・起こりやすい不具合ってどんな風になってしまうの?
・不具合を出さないためにはどのようなデータを作ればいいの?

ということをお伝えできればと思います。

綺麗に仕上げるために
綺麗に箔押しができるようなデータづくりをすることで大きく改善できます。
テンプレートには、綺麗に箔押しができるよう、データ作成の注意事項が記載されておりますので、データ作成の際には必ずチェックをお願いいたします。
オペレーターもデータをチェックします
あさだ屋では、オペレーターがデータチェックを行い、できるだけ綺麗に箔押し印刷ができるよう、お客様にデータの修正のご提案や、そのまま加工を行うとこういったことが起こるかもしれない、という内容をお伝えさせていただいております。

どんな不具合が起こるの?

主に起こりやすいエラーは下記の4種。
「つぶれ」「かすれ」「うらうつり」「うまる」

実際にどのような仕上がりになってしまう恐れがあるか、写真を交えてご説明いたします。
※職人は、できる限りこの不具合が最小限に抑えられるように調整し加工を行っております。

つぶれ

小さな文字・細かなデザインは潰れてしまう・埋まってしまうことがあります。

写真をご覧いただきますと、箔押しの場合、文字の細かな部分の隙間が埋もれてしまっていることが分かると思います。それにより、なんとなくしか分からないように見えたり、箔によってはギザギザとところどころ隙間が埋まって、綺麗ではない仕上がりになってしまうことがあります。
選ぶ箔や紙によってもつぶれ具合は大きく異なります。

※写真は小さい文字の例で、上から6pt・5pt・4ptです。

改善方法
小さな文字・細かなデザインを避ける
推奨文字サイズ
5.5pt以上
※写真の一番上の段は6ptです。6ptでも細かな文字は潰れてしまいます。
※フォントによって、同じptでも大きさが異なるものがございます。
※特に漢字はつぶれやすいです。
箔による傾向
 綺麗  メタリック金・銀 > その他メタリック系 > つや消し系 > 顔料系  つぶれやすい 

かすれ

ベタ(塗りつぶし)のデザインは、箔がかすれてしまうことがあります。
※場合によってはベタがなくてもかすれることがあります
箔押しはベタの多いデザインを苦手とし、ベタが広くなればなるほどかすれやすくなります。
そのためあさだ屋では、ベタは最大で30mm×30mmとさせていただいております。
名刺サイズで見ると、下記のような面積です。
また、紙と箔の組み合わせでもベタのかすれやすさは異なります。
ベタを綺麗に出したい場合は、「ケンラン」「ディープマット」の紙がとてもオススメです!
改善方法
・ベタが比較的得意な紙を使う
ベタが比較的得意な紙
ケンランディープマット

うらうつり

特に薄い紙・暗い色の紙では、画像のように「うらうつり」することがございます。
箔押しした場所の色が少し変わって、特に光に当てるとテカっと光るようなイメージ。
「線」「ベタ」の場合、特に目立ちやすいです。
改善方法
・厚めの紙を使用する ※厚めの紙のほうが軽減されます
・(↑が難しい場合)線/ベタのデザインを控える または 薄い色の紙を使用する

うまる

箔押しと箔押しの隙間が狭い場合、隙間がうまってしまうことがあります。

「つぶれる」と現象的には同じです。
隙間が細い場合は写真のように間が埋まってしまいます。
どれくらいの隙間が必要かは箔や紙によっても変わってきます。
※写真のものは、比較的隙間が埋まらない箔を使用しております。
改善方法
・箔押しと箔押しの間は広くとる
・細かいデザインが表現しやすい紙×箔を選ぶ
推奨
[隙間] 0.5mm以上
[箔色] メタリック金箔・メタリック銀箔

最後に

一般的な印刷よりも高価な分、とても美しい箔押し印刷。
決して、どんなデータでも綺麗に仕上がることができる印刷方法ではありません。
せっかくの「箔押し」なのに、綺麗に箔押しできないデータで進めて、汚く仕上がってしまってはとても勿体ないですよね。

データの作り方に気を付けることが、綺麗な箔押しの仕上がりにつながります。
この記事が、皆様のデータ作り際の一助になりますと幸いです。

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