特殊紙は、製造時期によって、紙の色が微妙に異なってまいります。
事前に取り寄せたサンプルと、実際に仕入れた紙を比べてみたところ、微妙に色が異なることが気になり、
【竹尾様】【平和紙業様】に、なぜ紙の色が異なるのか、問い合わせさせていただきました。
【竹尾様よりいただきましたご回答】
質問 紙の色が入荷時期によって異なる理由は?
紙の入荷時期によって色が若干異なるとのことですが、紙は生産ロットによって若干色が違ってしまうことがございます。
こちらは紙の製造において避けがたいことではあるのですが、明らかに色が違う場合など、手配の間違いという可能性もございますので、
そういった場合には紙のご購入ルートよりお問い合わせいただきますようお願いいたします。
また鮮やかな色の紙は退色しやすいです。
どの程度退色するかは保管状況にもよりますが、御社(お客様)で保管していた紙と入荷したての紙を比べて色が違う場合は、退色という可能性もございます。
【平和紙業様よりいただきましたご回答】
質問 紙の色が入荷時期によって異なる理由は?
大きな理由として、原材料であるパルプと水温が関係していると考えられています。
パルプは、紙を造る原料として使用する際N材(針葉樹)とL材(広葉樹)を用途に合わせてブレンドしております。
ただ、全てのパルプ原料を国内産で賄うことはできません。
現在全体の70%程を世界各国からの輸入に頼っております。
厳密にお話しますと、生産毎に使用する木材が変動するということです。
これは、輸入パルプの状況に左右されますが、季節によっても変動します。
まずひとつの理由として、この使用するパルプの変動に影響されます。
次に水温ですが、春夏秋冬で抄造時に使用する温度に差が生じます。
このことが紙の抄造時に影響を与えると考えられています。
弊社で扱う色紙(ファンシーペーパー)ですが、着色に使用する薬剤等は全てコンピュータ管理されています。
しかしながら、コンピュータ管理をしても使用パルプの変動や水温によって実際に抄かれる紙色に影響が及び誤差が生じます。
その差を埋めるために、それぞれ発売時に設定した基準色を設定しそのブレを狭くしていきます。
色検査や目視含めて、色合わせのプロセスを経て紙色が許容範囲に入ったところで本格的に生産に移ります。
その後、それぞれの銘柄にてお客様のお手元に届きます。
原料と水温が生産時ことに変動することにより、着色が一定でも何らかの影響を受けます。
その影響分を極力カバーして生産しております。
色検査等で基準数値でも、実際の紙で同じように反映されるとは限りません。
この点が金属等の無機物との差異かもしれません。
弊社として、基準値は公表しておりません。
すべてメーカーにて保管され管理されております。
各色の設定プロセスまでが各メーカーの技術であることご理解いただければと思います。
ディープマットは国産品ですが、キュリアススキンは欧州品となります。
輸入品自体、スペック管理がよりプアになるかと思われますが
色管理されているものとして輸入販売させていただいております。
残念ながら輸入紙は見本帳の色が全てとなります。
「紙はいきもの」と言われますが、まさしくその通りで管理することに非常に高度な技術を要します。
どうぞご理解賜ります様、お願い申し上げます。
竹尾様
この度はご回答をいただき、ありがとうございます。
紙の入荷ミスか、長期間の保管期間による退色か・・・というご回答、勉強になります。
竹尾様の紙を気に入っていただくお客様は数多くいらっしゃいます。私どももその一人です!
いつも素敵な紙をご提供いただき、ありがとうございます。
平和紙業様
この度はご回答をいただき、ありがとうございます。
「紙はいきもの」、本当です。箔押し加工をしていても同じように感じます。
歳を重ねる楽しみのように、紙の変化も楽しみのひとつとして考えたいと思います。
印刷であっても色の変化は気になるものですが、紙を製造するとなるとそれ以上に大変かと思います。
いつも良い紙をご提供いただき、ありがとうございます。
最後に
紙の色の違いについては、非常にナーバスな問題ではござますが、どうぞご理解いただけますと幸いです。